mantis diary 「浮遊」


      最近、セルフガソリンスタンドが増えてきています。大体こういう場所は料金精算所の他に
       コンビニ、喫茶店が合体したような空間が提供されていて、運転者の休憩所、家族、友人達との
       くつろぎの場としても活用されています。私の住んでいる地域のセルフスタンドは1リットル単位の
       値段が通常より2円安くなって助かっています。
        店内の電球は強く、数も多いので夜は「昆虫」も来店します。


vol.5希薄化する「虫捕り」という意識

   8月の冷夏状態に対して、9月上旬は残暑が厳しかった。夜になっても、日中
 セミの鳴き声と一緒に吸収した高温多湿の空気がアスファルトから放熱されていて、その空気が
 街中にわだかまっている。夜、市街の人々の服装も夏休みの頃と同じ。女の人などは秋を「演出」
 したくてアースカラーを身につけたがるが、それはまだまだ先になりそうだ。
  そんな中で電気の光に集う人間同様に集まるもう一つの生き物「昆虫」。白いワイシャツなどを
 着て電球の下を歩いていると、たまに大きい蛾などがぶつかってくる。「のわっ!」(白光反射のせい?)
 寿命が近いアブラゼミが、あおむけになり足だけを動かしている。そんな様子が店のライトに照らし出されている。そのセミを拾う.
.こんなパターンが幾回かあった。誰かがそれを見ていたらきっと珍奇な行動だと思うだろう。しかし、あまりに簡単に「生きエサ」が捕れてしまうためについ拾ってしまう。 

       

vol.6 浮遊する存在

 この時期になると今まで安定していた「夏型」の天気が崩れだし次の季節に向かうべく気団の変化が訪れる。
その現象の際たるものが台風だとおもうが、暴風の被害に遭うのは人間だけではなく昆虫にも訪れる。
台風の翌朝、空は青いのだが普段見覚えの無いモノ(大木・ゴミ)がたまに来る吹き返しの風と共に動いている所を
見ていると、被害が甚大では無いにせよ、それなりに爪跡を残していく自然の猛威に無力感を感じる。早朝のコンビニは
店員さんが駐車場の掃除をしている。店内には普段お目にかかれない大きな蛾がパタパタ飛んでいた。それが
偶然自分の胸の辺りに留まる。戦慄を覚え声が出そうになるが冷静に対処して、プラスチックの空コーヒー入れに
収納することに辛うじて成功する。こうしてこの「大きな蛾」=クスサンの仲間は、いまだに野に逃がせないでいる
カマキリの餌になることになる。このクスサンも不幸といえば不幸だった。多分私が捕まえなければ遅かれ早かれ
店員さんの殺虫剤であの世行きだったろう。クスサンは今回の台風で店の中に紛れ込んだに違いない。元の生活域に
戻れずに浮遊していたものと思われる。
 だいたいこのコンビニの数年前は自然たっぷりの「がさ藪」だった。北海道など一部を除き日本の気候は温帯湿潤なので、しかも「その土地の歴史」などそう簡単に消えるものでもなさそうなので、こういう事はいたるところでみられる現象な
のかもしれない。

工事中




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